9.10(SUN)

前日に続き快晴に恵まれた2日目。本日の一番バッター、熊本出身の4人組バンド、BLUE ENCOUNTだ。すでに1曲目「LAST HERO」から観客のテンションはマックス状態。早くもモッシュピットが出現し、カラフルなタオルがくるくる回る。「9月10日の今日はメジャーデビュー3歳の誕生日。ぴあの45周年にはおよびもしない。今日はここに集まったあなたにとっての記念日に!」と語るボーカル&ギターの田邊駿一。その熱い思いと真摯な演奏は観客の心に深く刻まれたはず。

CAMP STAGE、2日目のトップを飾ったのは、
REISとゲスの極み乙女。やindigo la Endでサポートを務め、katyusha名義でも活動するえつこ、ゲスの極み乙女。のメンバーである休日課長による3人組、DADARAY。
「東京Σ」など、ジャズ・ファンクのリズムを軸にしたスタイリッシュなポップサウンドに、オーディエンスたちも楽しそうに身体を揺らせる。

WIND STAGEに登場したキュウソネコカミは、「清水音泉ぶっ飛ばす」で「45」と書かれたおなじみの巨大な黄色いアヒルの浮き輪をクラウドの上に浮かべ、ぴあ45周年を祝う。「(自分たちが所属する)ビクターとぴあは実は同じビル。これからもよろしくお願いします!」。キーボードのヨコタ シンノスケがそう言うと、観客たちもシンガロングしたり、客席へダイブして転がるボーカルのヤマサキ セイヤを持ち上げたりして、ともに祝宴を盛り上げる。

CAMP STAGEに登場したのは、黒のラメジャケットを着込んだファンキーなロックバンド、BRADIOだ。「9月だけどまだ夏を感じたいぜ!」と、タック・パンツにアフロヘアのボーカル、真行寺貴秋がそう叫ぶと、「スパイシーマドンナ」のソウルフルなグルーヴが場内に響き、CAMP STAGEはたちまち真夏のディスコに。

「今年最後の夏フェスです」。ボーカルの谷口鮪の言葉を合図に、新曲「ディストラクションビートミュージック」を始め、息の合ったバンドサウンドをWIND STAGEに響かせる4人。「ないものねだり」ではステージと会場が一体となり、<ぴあぴあぴあ♬>と大合唱してぴあ45周年を祝う場面も。バンドが継続の危機を迎えた時に書いたという新曲「それでも僕らは願っているよ」では、歌詞をかみ締めるように歌う谷口。オーディエンスも笑顔と大歓声でその心意気をしっかり受け止めていた。

白と赤のレイヤード・スカートをなびかせて歌うパスピエのボーカル、大胡田なつき。その可憐な歌声と疾走感あるポップサウンドがCAMP STAGEに響くと、会場はたちまちドリーミーなダンスフロアに。最後に披露されたグルーヴィーなダンスチューン「MATATABISTEP」など、様々な要素が溶け合うハスピエのポップサウンドを、観客たちも各々のスタイルで自由に楽しんでいた。

この日はボーカル、尾崎世界観の幼い甥っ子が見にきていたにも関わらず、1曲目「HE IS MINE」から観客が合唱する「セックスしよう!」が場内に響き渡る。そして、ラブホテルの後に披露されたのは、「火まつり」。「(45周年のぴあのように)髪が白くなっても聞いてほしい」という尾崎のMCの後、最後に披露されたのは「寝癖」。激しく切ない余韻がいつまでも心の奥に鳴り響いた。

「スロウ」、「風待ち」と、白く小さく光る飛行機が頭上を飛ぶCAMP STAGEにふさわしい名曲を続けて歌い鳴らしたのは、GRAPEVINE。「ぴあ45周年おめでとうございます。我々もデビュー20周年。最近しれっとニュー・アルバムを出しました」とボーカル&ギターの田中和将が言うと、最新アルバム『ROADSIDE PROPHET』から、美曲「Chain」を披露。新旧織り交ぜたやわらかな選曲で、コアなファンの記憶と感情を刺激し、ジャンルや世代を超えた音楽ファンの心を鷲掴む。

WIND STAGEに登場したこの日のゲスの極み乙女。のハイライトはやはり、意味深な歌詞に耳を奪われる新曲「あたなには負けない」と、川谷絵音とドラムのほな・いこかの2人によるエモーショナルなデュエット・ヴァージョンで披露された「私以外私じゃないの」だ。
他にも、「ロマンスがありあまる」「アソビ」などの人気曲も惜しみなく披露。
高らかにキーボードが疾走する「キラーボール」を最後に歌い奏で、会場のテンションを最高潮に盛り上げた。

zuicotenによるオープニングアクトに続いて登場した森高千里は、薄暮から夕闇へと時が流れる最高のシチュエーションのなか、この上なくアバンギャルドなステージでロック・ファンの度肝を抜いた。DJを従え披露した「ストレス」「私がオバさんになっても」は、テクノビートを効かせた斬新なアレンジで、往年の名曲の再現を期待し集ったオーディエンスには戸惑いもあったかもしれない。けれどそもそも森高の音楽は、時代の欲求の一歩先の領域に敢えて踏み込むことでミュージック・シーンのフロントラインに立ち続けようとする刺激に満ちたもので、その気概にファンは狂喜乱舞していたはず。tofubeatsとの共作「Don’t Stop The Music」で大団円を迎えたステージには、衝撃と感動の余韻が満ち満ちていた。

「日本でいちばんぴあとみんなが好きなWANIMAでーす!」。元気なMCと野外フェスにぴったりなアッパー・チューンを夜のWIND STAGEに響かせたWANIMA。名曲「THANX」を筆頭に、希望に満ちた楽曲の数々と、「バイトするならチケットぴあでしょう!」というボーカル&ベースのKENTAらしい言葉でぴあ45周年を祝った。

ハイセンスな音で2日間を沸かせたCAMP STAGEのトリを務めたのは、今年デビュー20周年を迎えたTRICERATOPS。「FEVER」「GOING TO THE MOON」と冒頭から人気のアッパーチューンを連発し、ぴあ45周年を賑やかに祝う。「「MUSIC COMPLEX」が開催されるのは10年ぶり。10年前もこのフェスに出たGRAPEVINEと俺たちが今日また同じステージに立てたこと、共にバンドを続けて来られたことを嬉しく思います」と、ギター&ボーカルの和田唱。最後に披露されたグルーヴィーなロックチューン「トランスフォーマー」では、観客のシンガロングが夜空に優しく響き渡った。

WIND STAGEで2日間の大トリをつとめたのは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONだ。「ぴあとはいろんな付き合いがあって。雑誌があった頃、毎週むちゃくちゃきつい締め切りを守ってた(笑)。今日は潔のドラムに注目して。スネアにカレー(フードコートで販売中のフジファブリックの金澤とのコラボ「フジ&アジカレー」)が乗ってるから」と、ぴあとの縁を語るボーカル&ギターの後藤正文。新曲「荒野を歩け」を始め、「RE:RE:」「ソラニン」「リライト」など、新旧のナンバーを惜しみなく聞かせた後、アンコールでは名曲「君という花」を披露。その時目の前で繰り広げられていた、大人もティーンもキッズも楽しそうに歌い踊りはしゃぐ幸せなシーンこそ、『MUSIC COMPLEX』の目指す姿に違いない。

2日間に渡って開催された『PIA 45th Anniversary 「PIA MUSIC COMPLEX 2017」』のライブ映像の放送が決定!衝撃のステージや、人気曲揃いの豪華なセットリストなど、伝説になりそうなステージの数々は必見だ。

TEXT:早川加奈子
PHOTO:TEPPEI/深野輝美/本田裕二

《BSスカパー!》

番組名 PIA 45th Anniversary MUSIC COMPLEX 2017
放送日時

[Day1]
10月14日(土) 後6時〜後9時

[Day2]
10月15日(日) 後6時〜後9時
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

番組内容 イベントの模様を各日たっぷり3時間ずつ放送
チャンネル BSスカパー!(BS241/プレミアムサービス579)
ホームページ https://www.bs-sptv.com/program/3444/

《CSテレ朝チャンネル》

番組名 PIA 45th Anniversary MUSIC COMPLEX 2017完全版
放送日時 11月19日(日) 後1時〜後11時
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
番組名 ライブに加えて、アーティストのインタビューを交えた各日5時間の完全版
チャンネル テレ朝チャンネル1(CS298/プレミアムサービス611)
ホームページ http://www.tv-asahi.co.jp/ch/contents/variety/0213/

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